2023年10月18日

STAR AWARD 2023 - 大会レポート-

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しとしとと秋雨が舞う東京の空
 
肌寒さも感じる街の気温だが
会場に一歩踏み入れた瞬間に、湧き上がる熱い“何か”を感じたのは私だけではないでしょう。
 
STAR AWARD 2023 ─ 【グランプリ決定の瞬間】GRAND-PLIX FINAL
 
の大会レポートを、HAIRCAMPのSugaがお届けします。
 
 

 
 
第二回開催となったSTAR AWORD 2023。
 
この大会は美容業界におけるコンテストの中でも、前年に続き、その規模と意義において類を見ないものとなりました。
 
【大会賞金総額1000万】
 
去年よりも倍の賞金額……
しかしながら、この数字は金額以上の意味を持っています。
それは、受賞者に与えられるだけでなく、美容業界全体のレベルを引き上げ、未来のスター美容師を輩出する“力”を象徴しています。
 
美容業界はコロナ禍でも成長し続け、技術や知識の均一化が進みました。
そして、業界のパイオニアたちは、この“底上げ”の時期に、新たなイノベーションを追求する決意をします。
 
コンテストの在り方も進化し、これまでの素晴らしい大会から更なる飛躍を遂げるために、この【STAR AWARD】がスタートしました。
 
この大会は次世代のスターを発掘するため、終わりではなく新たな始まりの象徴のコンテスト。
「時代の美容師を育み、フューチャーする」ことを目指しています。
大会への参加者だけでなく、主催者、審査員、スポンサーも、一丸となってこの大会に挑んでいます。
 
独自性と世界観を存分に発揮し、今一番面白い作品を創るのは誰なのでしょうか。
 
時には重圧に押しつぶされそうになりながらも、今日まで準備と努力を積み重ねてきた参加者達。
 
今ここに、熱き想いをシザーに乗せて火蓋が切られました。
 
 
 

1. 10人のファイナリスト

 
今日この舞台に上がることができた10人のファイナリスト
 
東京都 工藤舞さん/LECO/@leco_mai
東京都 川久保直明さん/Null/@nao_kawakubo.null
東京都 奈津己さん/QUQU/@ququ_natsuki
東京都 イッシキケンタさん/nenen/@isshiki_kenta
東京都 下岡悠太さん/nenen/@nenen_shimo
東京都 阿部力さん/vetica/@chikara_abe0926
大阪府 中嶋千夏さん/JANE/@chinatty.n
東京都 吉田咲さん/SHACHU/@sapi_maru
東京都 水口裕太さん/siki/@siki__yuta
愛知県 澤井裕貴さん/qin/@sawai.qin_casica
 
 

 
 
この場所に立てている時点で、卓越した技術や感性がある証です。
 
1次審査〜3次審査までの伏線を、どのようにしてこの舞台で回収していくのか。
 
自分が楽しみながら、モデルさんを彩り、審査委員や客席を魅了していく……
 
そうして一番輝きを放つスターを、この中から選出します。
 
 

2. 審査員とファイナル審査方法

 
審査員も傑物揃い。
 
・内田聡一郎 Soichiro Uchida(LECO)
・エザキヨシタカ Yoshitaka Ezaki(grico)
・樗木佑太 Yuta Oteki(THE SLICK)
・黒木利光 Toshimitsu Kuroki(CHARLES DESSIN)
・沢井卓也 Takuya Sawai(jurk)
・照屋寛倖 Hiroyuki Teruya(in chelsea)
・みやちのりよし Noriyoshi Miyachi(SHACHU)
・RYUSEI(PELE Beleza LINDO TOKYO)
 
 

 
 
最終審査では5つの項目を各10点満点トータル50点満点で評価。
 
3次審査で獲得した得点をキャリーオーバーし、合計得点で競います。
 
・①テーマ相当の表現力、訴えるものがあるか 時代感・独自性・新しい面白さ・スター性・人間性
・②技術&デザイン力
・③カラー評価
・④プロセス、QA 代わり映え評価
・⑤トータルバランス
 
これらの基準をどう満たしていくかが、鍵となります。
 
 

3. デモンストレーションとプレゼン

 
隣にいるライバルからの熱気も感じながら、デモンストレーションがスタート。
 
それぞれの感性がモデルさんに落とし込まれ、みるみるうちに変貌していきます。
 
 

 
 
ヘアスタイル、ファッション、メイクを通して
元ある素材をどのように表現していくか。
 
 

 
 
コンセプトに一貫性を持たせ、自身の世界観が顕在化してきます。
 
モデルさんに向かいシザーを動かす姿は、それぞれから圧倒的なエネルギーを感じました。
 
 

 
 
時間は15分。
カットとスタイリングをこの時間内におさめていきます。
 
 

 
 
クロスを外した瞬間がまた見もの。
 
ヘアとメイクがファッションと融合した瞬間、誰も足を踏み入れたことのない世界へと誘われます。
 
「おおぉ……っ!」と会場もどよめき、
 
横一列に並んだモデルさんの姿が見事に異彩を放ちます。
 
 

 
 
ファイナリスト一人一人による5分間プレゼンが行われ、
 
作品に対しての想いや、美容師としての志、スターについてなど熱く語られていきます。
 
 

 
 
作品×プレゼンを行うことで
 
表面的な見え方ではなく、作品にも参加者にも奥行きを与えます。
 
 

4. 審査

 
審査員の方から
 
「甲乙つけ難く、とても悩んだ」というお声もありました。
 
 

 
 
それだけ高いレベルで拮抗した闘いだったのでしょう。
 
また、審査を難しくしている要因は、この大会の重みもあります。
 
審査員一人一人の採点が、参加者の人生を揺るがす大きな“意味”を持っています。
 
 

5. 結果発表

 
2023年度受賞結果
 
 
【グランプリ受賞】
 
1位
奈津己さん/QUQU

 
 

 
 
同率2位
工藤舞さん/LECO

 
 

 
 
同率2位
川久保直明さん/Null

  
 

 
 
【大会特別賞】
  
UNDER7賞
奈津己さん/QUQU
グランプリと同時受賞
  
HAIRCAMP賞
吉田咲さん/SHACHU
  
【美容ジャーナル賞】
  
HAIR MODE賞
下岡悠太さん/nenen
  
KAMISHOBO賞
川久保直明/Null
2位・SHINBIYO賞と同時受賞
  
PREPPY賞
吉田咲さん/SHACHU
HAIRCAMP賞と同時受賞
  
SNiP STYLE賞
工藤舞さん/LECO
2位と同時受賞
 
SHINBIYO賞
 川久保直明/Null
 KAMISHOBO賞と同時受賞
 
受賞された皆さま、おめでとうございます!!
 
 

6. STAR AWORDの開催意義について

 
美容業界、様々なコンテストがある中で、どうしてSTAR AWORDという大会を開催しているのか。
 
クリエイティブやコンテストを行うことに意味があるのか?
という議論が飛び交うようになった昨今。
 
例え何か受賞したとして
費やしたお金や時間に見合うだけのモノが返って来るのか?という声も多く聴かれています。
 
そんな中でこのSTAR AWORDでは、賞金や副賞はもちろん
今後美容師として更なる飛躍へとつながる大会として位置付けられています。
 
審査委員長の内田先生からも
「今日この日を迎えて改めて、ここに立ってる10人は、向こう10年美容業界で名前を刻んでいくだろうと感じました。内省行為に始まり表現をここまでしていく過程は、未来の美容業界を作っていくことだとも確信しました。」
とおっしゃっています。
 
 

 
 
また、審査員のRYUSEI先生は
「僕の世代はZ世代と言われていますが、SNSでいろんな情報をキャッチする中で、コンテストに違和感を覚えるネガティブな発言も見ることがあります。しかし、クリエイティブには数字では語れない美容業界の奥行きがあると信じています。」
とおっしゃっていました。
 
 

 
 
お客様の要望に応え続けていくことは美容師としてもちろん大事。
一方で、アーティストとしての側面もあるのが美容師です。
 
両輪を持ち合わせている人が、業界でも新しいデザインを発案し、それがトレンドとして成ることも容易に予想がつきます。
 
ジャーナル審査員である、髪書房:月間BOB編集長の森井さんも
「美容業界、色々あるコンテストの中で4次審査まであるコンテストは本当に珍しい。その中で勝ち抜いてきたここに居る10人は間違いなく日本のトップクラスの美容師であると思うし、これからもその背中を色んな人に見せていってほしい」
と、おっしゃっていました。
 
 

 
 
こうして色んなお話がある上でお伝えしたいのは、
今までのコンテストとは違う、“全く新しい概念”のもと開催されている大会です。
 
大会主催者である、株式会社UNDER7代表取締役の南さんも
「順位はついたのですが、チャレンジしてきたことは間違いなく己の糧になり、これからのエネルギーになります。これからの美容業界を、みなさんが引っ張っていくという強い気持ちで歩んでほしいと思いますし、美容メーカーとしても全力でサポートしていきます。これからの活躍を引き続き応援しています」
というお言葉もありました。
 
 

 
 
古きを大切にしていくことも重要ですが、時計の針は進みます。
 
これから新しい時代を担う若手美容師や美容学生には特に、良い刺激として受け取っていただけたらと思います。
 
 
 

7. さいごに

 
今大会も誠に熱い熱い闘いでした。
 
参加者それぞれのバックグラウンド(生き様)が作品に投影され、
一つ一つに宿るエネルギーが会場の外にまで影響を及ぼしている感覚でした。
 
日本全国から応募があり、その頂点に立ったグランプリの奈津己さん、本当におめでとうございます!
 
また、受賞された方もそうでなかった方も、間違いなく大きな影響を美容業界に与えてくださいました。
本当にありがとうございました。
 
美容師としてクリエイションをする人もしない人も、
自分の表現をハサミに乗せることは同じこと。
 
学びしかないこの“STAR AWORD”をどう捉えることができるか?
 
その感性一つが、時代の流れを掴んでいくキッカケになると思います。
 
 

 
 
会場の外に出ると、さっきまで降っていた雨は止み、心地よい秋風を感じました。
 
STAR AWORDを経て、ここからが本当のスタート。
皆様の活躍を楽しみにしています!
 
そして次回大会の開催も決定しました!
今後はオンリピックのような、美容業界の技術の祭典として2年毎に皆様にこの熱狂をお届けいたします。
 
次はどんなスターが発掘されるのか?
もしかすると、これを読まれている“アナタ”かもしれません。
 
改めて
参加者、審査員の方々、運営スタッフ、協賛企業の全ての方々、今回も感動がいっぱいの素敵な大会でした。
 
また次回もよろしくお願い致します!ありがとうございました!
 
 
 

グランプリファイナル決定の瞬間はこちらから

 


 
 

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