2023年04月04日

【種類別】パーマの施術を徹底解説!いまさら聞けない巻き方と特徴

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パーマの種類によって薬剤選定や巻き方が変わります。
デザインを構築していく上で、カットライン、毛髪状態、薬剤選定、巻き方が全て影響していきます。
感覚的にパーマをしていては、何となくの仕上がりにしかなりません。
この記事では、用途別にパーマを理解し、よりイメージ通りのパーマをかけるための知識をご紹介します。
 
 

1. パーマの種類と特徴

パーマにはたくさん種類がありますが、大きく分けると「コールドパーマ」と「ホットパーマ」の2種類です。
一般的に美容室で「パーマ」とされているのがコールドパーマ。ロッドを使ってウェーブをつけ、濡れた状態で動きが出やすいのが特徴です。
対して熱を使ってウェーブをかけ、乾いた状態で動きが出やすいのがホットパーマです。
 
その中でも今回は一般的なパーマ、デジタルパーマの2種類のパーマに関して、特徴やそれぞれの巻き方に関してご説明していきます。
(今回、ストレートパーマには触れず、カールを作るパーマにフォーカスしています)
 

2. パーマの巻き方(ワインディング)の種類

パーマには平巻き、縦巻き、スパイラル巻き、ねじり(ツイスト)巻き、三つ編みの巻き方があります。表現したいデザインで巻き方を変えていきます。
 
【平巻き】 
髪に対して垂直に巻きます。根元に比べて毛先に強めにウェーブがかかります。
【縦巻き】 
髪に対して並行に巻きます。平面的な均整のとれたウェーブになります。
【スパイラル巻き】
髪をらせん状に巻きます。らせん状の立体的なウェーブになります。根元から毛先まで均一なウェーブです。
【ねじり(ツイスト)巻き】 
毛束をねじってから巻きます。ねじれのあるウェーブになります。ボリューム感のある細かい波打ったウェーブです。
【三つ編み】
三つ編みにしてパーマをかけます。ワッフル状の細かいウェーブになります。さざ波のようなそろったウェーブです。
 
 

3. パーマの種類別巻き方のコツ

デジタルパーマと一般的なパーマに関して、それぞれメリットとデメリットや巻き方等に着目しながらお伝えしていきます。

デジタルパーマとは

デジタルパーマはロッドを巻きつけた状態でロッドにコードをつなぎ、ロッドが温まることにより【熱】の力で形を固定させるパーマです。
通常パーマは薬の力でカールをつけていきますが、デジタルパーマは薬と熱のダブルの効果によりパーマがかかります。
 
 

 
 

【デジタルパーマのメリットとデメリット】

 
デジタルパーマのメリットは、まずかかりが良いこと。さらに熱と薬の2つの力でかける分、パーマのもちも良いです。
一般的なパーマは濡れた状態が一番カールが強く出ますが、デジタルパーマは乾いた状態の時にパーマが一番出てくれるので再現性が高くセットが簡単なパーマです。
 
それに対してデメリットは
髪の毛は60度以上の温度を当てると【熱変性】によりが硬くなります(生卵がゆで卵になるイメージ)。
硬くならないように、毛髪診断と薬剤選定が大事です。熱変性によって髪の毛の手触りが悪くならないように、注意が必要です。
 
 

【巻き方】

 
デジタルパーマの巻き方は平巻きか、縦巻きか、スパイラル巻き(中間巻き)が一般的です。
巻く位置として、仕上がりをイメージして前に引き出すのか、後ろに引き出すのか、またはフォワードかリバースなのかも考えていきましょう。
 
巻く時に、大切なのは毛先の厚みです。薄ければリッヂが出やすく、厚ければ出にくい。
同時にステム(角度)も大切です。
ダウンステムが絶対ということはなく、アップステムにすることで毛先に自然なズレが出て、軽やかなカールを作り出すことができます。
 
また、細かいポイントですが、デジタルパーマの場合後にコードをつなげていくため、コードが互いのロッドを邪魔しないよう凸部分の位置も気をつけておくと良いでしょう。
 
そして一剤をどの位置まで塗布していたか?という把握も重要で、塗布位置をこえて巻き込んだ方が“ゴム跡”が付かず安心です。
 
 

デジタルパーマの技術を活かすと、上品でリッチな質感を表現することができます。

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コールドパーマとは

コールドパーマとは、ロッドを巻いて薬をつけて形を付けるシンプルな工程のパーマのことです。濡れている状態で一番動きが出て、乾かすとゆるくなっていくのが特徴です。
 
 

 
 

【コールドパーマのメリットとデメリット】

 
コールドパーマのメリットはデジタルパーマと比較してダメージが少ないところです。
薬の力のみでかけるので熱変性を起こさず手触りが柔らかい。乾かすとゆるくなり伸びてくれるので、ブローしてボリュームだけを残すようなスタイリングをすることも可能です。
 
逆にデメリットはもちがデジタルパーマより悪いことです。基本的に1ヶ月たつとゆるくなり、3ヶ月ほどで取れていくものがほとんどです。
またスタイルにもよりますが、セットの時に一度髪を濡らしてパーマを出さないと動きが出にくいため、セットに少し手間と慣れが必要になります。
 
 

【巻き方】

 
使っていくロッドの種類は、通常ロッド、ロングロッド、円錐ロッドがあります。ロッド以外にもピンでカールをつけるピンパーマもあります。
またコールドパーマでは、巻き方として平巻き、縦巻き、スパイラル巻き、ねじり巻き、三つ編みの全てが対応が可能です。
 
スタイルに合わせて、カットラインを意識してブロッキングをとり巻いていきます。
パーマの巻き方自体、カットでどのように切っているかが最も重要になります。
これはデジタルパーマにも共通して言えることですが、パーマ施術でどのようなデザインを乗せていきたいか?
その上で、巻き方を考えていかなければなりません。
 
 
 

ニュアンスを出せることもコールドパーマのメリットのひとつ。

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4. パーマをする上でのその他の注意事項

パーマをする上での注意事項として毛髪診断と薬剤選定があげられます。
 
まず毛髪診断は
バージン毛なのか、カラーなどの履歴があるのか。癖毛なのか直毛なのか。
髪は太いか細いかなどを目で見て、手で触り、お客様から話を伺います。
毛髪診断を見誤ると、薬剤が反応しなかったり、もしくは髪を傷めてしまう恐れがあります。
 
薬剤選定は、pH値、還元剤、アルカリ度を理解する必要があります。
 
pH値とは0~14の数値で、アルカリ性や酸性を表すものです。ちなみに7が中性です。
アルカリ性の薬剤だと、髪にはやく反応し、カールのリッヂもしっかりと出すことができます。
しかし、カラーリングを何度もしていたり縮毛矯正の履歴のある髪だと、ダメージの蓄積も否めません。
そうした時は酸性の薬剤を使用する必要があります。髪質によって、pH値の設定は注意する必要があります。
 
次に還元剤に関して。一剤にどういった還元剤が含まれているかで、髪への反応が変わってきます。
システアミン、チオグリコール酸、チオグリセリン、サルファイト、チオ、アセチルシス、スピエラ、GMT….
それぞれの還元剤は毛髪内部の結合を切る場所も違えば、活発に働くpH値(pka)も変わってきます。
 
そしてアルカリ度とは、アルカリの強さについて表しているものです。簡単にいうと、アルカリを中和するときに必要な酸の量のことです。
勘違いしがちなケースとして、単純にpH9とpH7を1:1で混ぜると、pH8にはならないということです。
使用薬剤によってアルカリ度が設定されているので、確認しておきましょう。
 
イメージしたパーマのリッヂを出すために、毛髪診断と適正な薬剤選定をしていくことは必須です。
 
 

5. 種類別スタイリングのコツ

熱を使うデジタルパーマは、髪が乾いたときに巻きが強くなるのが特徴です。
そのためしっかり髪を乾かしてセットしていきます。
この時には、髪を引っ張りながら乾かすとカールが弱まって仕上がるため、手でカールを維持させながらスタイリングしていきましょう。
 
 

 
 
コールドパーマは、濡れた時にカールがしっかりでるので、クシュっとパーマを出したい時には少し濡らしてスタイリングすると良いでしょう。
パーマ戻しのスタイリング剤や、ウェット感のあるムースも相性が良いです。
 
 

 
 

6. まとめ

パーマの種類に合わせて、薬剤の考え方や巻き方について解説していきました。
パーマに苦手意識のある方は、まずは理論的に整理してみるところから始めてみてはいかがでしょうか?
 
パーマを扱えることで、デザインの幅がぐんと広がります。
 
お客様のなりたいを叶えられるよう、引き続き知識と技術を究めていきましょう。
 

 
 
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