2021年12月16日
「人生を変える学びがある」ヘアメイクアップアカデミーSABFA卒業生が輝く理由。
資生堂が1986年に「美のプロのための学校」として立ち上げたヘアメイクアップアカデミー「SABFA」。
約2000名の卒業生たちが、美容業界をはじめとしてTVや映画、広告などさまざまなクリエイティブの現場で躍動している。
美容業界最高峰のクリエイティブコンテストとも言われる「Japan Hairdressing Awards」においても毎年のようにSABFA卒業生が受賞を重ねており、2021年度は原田 忠さん(Shiseido)が準グランプリ、竹野内 宏明さん(Edge)が最優秀新人賞に輝いた。
「どうしてSABFA卒業生は、世の中にインパクトを与えるようなヘアメイクアップアーティストになれたのだろう?SABFAでどんなことを学んだのだろう?」
今回はそんな問いを胸に、SABFA校長の計良宏文さんにインタビューを敢行。
現状に満足することなく、「さらなる高み」を目指したい美容師必見だ!
SABFAで人生を変えた卒業生は錚々たる顔ぶれ。
JR原宿駅前の横断歩道を渡ると、すぐに白く輝く「SABFA」の文字が目に飛び込んでくる。
明治神宮の森と、何かが生まれる街、原宿の賑わいに包まれた学校で学んだら、誰でも「何かが始まる予感」にワクワクするはず。
実際に、SABFAで学んだことがきっかけで、「人生が変わった」と感じている卒業生が大勢いるのだという。
「卒業生から
『SABFAで学んで本当に人生が変わった』
『ここで自分の根本となるものを学べた』
『夢を叶えるための大きな財産を手に入れた』
など、非常にありがたい言葉をたくさんいただいています。
このほかにも、「お客さまへの提案の幅が広がった」「自信を持って提案できるようになった」、さらには「メイクのメニューを増やし、売上アップにつながった」など、日々のサロンワークで実践的に、学びを役立てていると話す卒業生もいます」
とSABFA校長の計良さんは話す。
SABFAで学び「人生を変えた卒業生」には、どんな人がいるのか?
実は、読者のみなさんが知っているような有名なアーティストもSABFAの卒業生だ。
「例えば、SABFA前校長の原田忠は、元航空自衛隊航空管制官です。
自衛隊からヘアメイクアップアーティストへの転身ですから、まさに人生が変わっていますよね。
ヘアメイク業界のレジェンド的な存在であり、数多くのTVコマーシャル・広告のへアメイクを手掛けている森川丈二さん(gem)もSABFA出身です。
その森川さんのステージに感動してSABFAの門を叩き、現在は資生堂ヘアメイクアップアーティストとして男性美容を中心にヘアメイク活動をしている中村潤も、もともとは地方の地域密着型のサロンで働く美容師でした。
また、2021年JHA最優秀新人賞受賞を受賞して脚光を浴びた竹野内宏明さん(Edge)も、茨城県守谷市の美容室オーナーさんとして活躍しています」
ⒸSNIP STYLE
▲サロンメーキャップコース卒業の竹野内宏明(Edge)さん2021年JHA最優秀新人賞受賞作品
約150年の美の蓄積から生まれた、本質を突く理論・技術。
SABFAは少数精鋭の学校のため、卒業生は累計2000名程度。
その中から、美容業界のトッププレイヤーを多数輩出しているというから驚きである。
もちろん、成功のためには本人の努力が欠かせない。
しかしながら、個人の努力だけでは補うことのできない学びが、きっとSABFAにあるはずだ。
SABFA卒業生の「人生を変えるほどの学び」とは一体何なのか?
「その答えは一つではないと思います。
でも、最先端の場所で活躍するアーティストから直接学べることは大きいはずです。
基本的に資生堂のヘアメイクアップアーティストが講師をしています。
普段から資生堂の宣伝広告、ポスターを手がけており、女優やタレントのヘアメイクをしている人たちです。
パリ・ニューヨーク・上海・東京などで行われるコレクションにも参加していますし、商品開発やトレンド分析などにも関わっているんですよ」
美の現場で活躍するヘアメイクアップアーティストは大勢いる。
その中で、あえて資生堂ヘアメイクアップアーティストから学ぶことの価値とは?
「SABFAの美容理論と基礎技術の根底には、資生堂が培ってきた約150年の美の蓄積があります。
時代が変わっても揺らぐことのない『美の本質を突く理論・技術』が伝承されてきました。
美の研究結果をまとめてきたのが、資生堂のアーティストたち。
しかも、講師たちは、定期的に外部のプロから学び『コーチングスキル』を磨いている『育てるプロ』です。
そして、私も含めた講師たちが、本物と認めることだけを、みなさんに伝えています」
クリエイティブアワードで評価されるSABFA卒業生が多い理由。
優れた美容技術者を表彰するJHAのような権威あるアワードでも、毎年のようにSABFA卒業生の名前を目にする。
ヘアメイクアップスクールはSABFA以外にもあるが、SABFAの卒業生が目立つのはどうしてなのか?
「今世の中で評価されている卒業生たちは、美を考える基準となる『美の物差し』を持っているのだと思います。
例えば、『世の中の人の7割、8割が美しいと感じるフォルムのゴールデンバランス』が頭に入っているのといないのとでは、生み出すものが変わります。
『美の物差し』を持った上で、自分の感性や個性を発揮しているから、SABFA卒業生の仕事や作品が自己満足になることなく、多くの人から評価されるのかもしれません」
人が見て「美しい」と思うものをつくるためには、判断の軸が必要だ。
その判断の軸となるのが、計良さんの言う「美の物差し」である。
これは「自分でしっかりと良いもの、悪いものを見極める目、美しいものを美しいと感じ、そうでないものを見極める目」と言い換えられる。
では「美の物差し」はどうすれば手に入れられるのだろうか。
「まず本物に触れることが大事だと思います。
そして、上辺だけをサラッと学ぶのではなく、『本質とはなんだろう』と深く考えながら学ぶと同時に、表現の引き出しも増やしていく。
これをSABFAで伝えています。
その中で『美の物差し』が養われていくのだと思います。
不確かな時代だからこそ、ブレない『美の物差し』や確かな技術と感性を磨くことが、今の美容業界を生き抜くために必要なことだと感じています」
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