こんにちは、詩歌です。
外はずいぶん暖かくなってきて、外出を自粛しているうちに
冬から夏にワープしそうです。
さて今回は、めまぐるしく変わる社会制度、並びに法律に詳しい
専門家の先生方をお招きして、ビュートピア編集部様と一緒に
コロナ氷河期をいかに乗り切るかについて、お話を伺っていきたいと思います。
美容師の皆様から寄せられたたくさんの疑問を9つのテーマに分類して、一つ一つ詳しくお答えしてきますので、目次を参考に気になる箇所をピックアップしてご視聴ください。
自分の身を守れるのは自分だけです。
正しい知識と適切な処置で、リスナーの皆様が誰も欠けることなくコロナ渦を乗り切れるよう、微力ではありますがお手伝いしたいと思います。
1. 休業手当はどう計算する?労働問題に詳しい大学教授でもある淺野弁護士が解説
vo.1:【弁護士に聞く】休業手当はどう計算する?
で、お話してくださるのは、
ユナイテッド・コモンズ法律事務所の淺野高宏先生です。
淺野先生にご説明いただく内容は休業手当についてです。
ここでは法人サロンが業務収縮によって休業した場合、
・ サロンは従業員にどの程度金銭的な休業補償をする必要があるのか
・ 賃金の違う各スタッフの休業手当額の算出方法
について主に見ていきます。
具体的な例を上げて、どの期間を計算すれば良いのか、またその算出公式と、
固定給以外に歩合制度や各種雇用手当を渡しているサロンは、それらのお金をどのように計算するかを知ることができます。
2. よくある独立トラブルの防ぎ方。回数券・ネット販売といった「新戦略で売上げアップ」実施前の確認とは?契約に強い畔山弁護士が解説
vo.2:よくある独立トラブルの防ぎ方。回数券・ネット販売といった「新戦略で売上げアップ」実施前の確認とは?
で回答してくださるのは畔山総合法律事務所の畔山亨先生です。
今回畔山先生にお話しいただくのは、コロナショックによる営業不振を乗り切る工夫が、どの程度法律で認められているかについてです。
まずは営業を継続することの可否、また営業中どのようなことに注意するかについてお話してくださっています。
しかし、たとえ営業しても十分な収入が見込めるサロンばかりではありません。
そこでサロンやウェブで回数券を発行する、商品を販売するなどして、なんとか持ちこたえたい。
そんな時の注意点も見ていきましょう。
様々な業務手続き、法律上留意すべきことなど詳しくお話してくださっていますが、物品販売には時として専門的な知識や資格を必要とするものもあります。
実際に万が一
・ 個人輸入した海外製のものを販売したい
・ 今まで取り扱っていなかったものを販売したい
などという場合は専門家に相談することが最も安全だと言われています。
またサロンに来店するのが心配なお客様へ訪問美容は可能かどうか。
こちらも必見です。
続いて、これから先またいつ何時訪れるかもしれない不測の事態に備えて、新事業を立ち上げたいと言う美容師の方へのアドバイスに移ります。
大黒柱が1柱だけでは心配だと言う経営者の方はこちらもご覧になってください。
最後に、従業員として働いている方が、現職の会社から独立時に不利と思われる契約内容(独立店舗の場所、指名のお客様への連絡の可否、独立後のスタッフの採用等)についてどの程度従うべきかについても見ていきます。
3. 「資金繰り表」からの融資・助成金申請。セーフティーネット、持続化給付金のあれこれを公認会計士でもある瀬戸弁護士が解説
vo.3:「資金繰り表」からの融資・助成金申請。
で回答してくださるのは瀬戸法律会計事務所の瀬戸英三郎先生です。
弁護士と公認会計士、法律にもお金にも詳しいエキスパートの瀬戸先生からお話いただくのは、
・ 収支を明確にする資金繰り表の作り方(1~5月分で例とする)
・ コロナの影響による経営不振で受けられる各種融資と給付金について
・ どうやってやりくりするか
の3点について主にお話していただきます。
資金繰り表は融資や給付金を受ける時に必ずあって損のないものです。
現状実績並びに未来予想収支を正しく記入し、まずは支出から減額できるものを探します。借り入れの返済など、この時期だからこそ抑えておきたい支出についても詳しく見ていきます。
支出を減らす十分な努力をしたけれどもお金が足りない。
そんな時は給付金を受けたり、融資を申し込むなどして対策します。
5月1日から受付が始まる持続化給付金の簡単な計算方法、やセーフティネット4号、5号についても、どのように融資を申し込むかどのような条件が課せられるか学んでいきましょう。
4. 「雇用調整助成金」とは?店長とアシスタントに給与差があっても休業手当は支払う?中込弁護士が解説
vo.4:「雇用調整助成金」とは?店長とアシスタントに給与差があっても休業手当は支払う?
で回答してくださるのはユナイテッド・コモンズ法律事務所の中込律子先生です。
中込先生にお話しいただくのは、
・ 雇用調整助成金について
・ 休業手当の保障の対象者
です。
お店も営業できず経費はかかり、その上数多の従業員に休業手当を支払わなければいけないと思うと、これは頭の痛い問題です。
しかし法律で定められた平均賃金の6割を支払うだけでは、生活が困窮してしまう従業員が存在するのもまた事実です。
そこでこのテーマでは、保証された6割以上の部分をどう決めていくか。
そして会社にお金はないけど手当を出してあげたい、そんな時に利用できる雇用調整助成金について、詳しくみていきます。
5. 休業・時短営業なのにスタッフが兼業・副業をしたい。そんな時どうする?労働問題に詳しい大学教授でもある淺野弁護士が解説
vo.5:休業・時短営業なのにスタッフが兼業・副業をしたい。そんな時どうする?
では淺野先生が、兼業・副業、感染等におけるサロンの対応について回答。
営業縮小と客数減で給与が減るため収入を補填するために副業・兼業をしたい。と思っている場合、サロンと従業員の間でどのような注意が必要か、またどのような書類を作ることでトラブルを回避できるかについてお話していただいています。
また会社外で従業員がコロナウイルスに感染してしまった場合、サロンは感染した従業員に対してどの程度責任を問えるかも知っておきましょう。
6. 給与100%補償義務が生じるケースとは?休業手当が60%以上ならスタッフごとの差はOK?大学教授でもある淺野弁護士が解説
vo.6:給与100%補償義務が生じるケースとは?休業手当が60%以上ならスタッフごとの差はOK?
では、休業中における給与保障について、そして休業を実質有給休暇として扱っても良いかどうかについてお話していただきます。
休業補償は賃金の6割を保証しなければいけない。
とこれまでお話してまいりましたが、法律では不可抗力による休業の場合、「使用者の責に帰すべき事由に当たらず、使用者に休業手当の支払義務はない」とされています。
では今回のコロナウイルスの影響は不可抗力のうちに入るのでしょうか。
また休業補償をする場合に、その臨時休業を従業員の有給休暇として扱ってもいいのかどうか、正しく把握しておきたいところです。
7. 時短営業中の給与は?業務委託の場合は?クラスターが発生したら?休業中の自主練は業務?大学教授でもある淺野弁護士が解説
vol7:時短営業中の給与は?業務委託の場合は?クラスターが発生したら?休業中の自主練は業務?
では、
・ 時短営業に切り替えた場合に賃金を減額することは可能かどうか
・ 雇用形態(雇用契約・業務委託・アルバイト)による対応の違い
・ 契約雇用形態と実態が違う場合に、どの程度法律で保証があるか
・ 開業を継続してサロンがクラスターになってしまった場合の保証(サロンの法的責任)
・ 休業中にサロンからの指示で義務として出社した場合、労働時間とみなされるかどうか
など、
主に雇用形態とお金、それからサロンの責任についてのお話です。
働き方の多様化が進んでいる昨今、どのような契約で美容業に従事しているかで、どの程度法的に賃金を保証してもらえるのかが変わってきます。
ですがもちろん中には契約内容と実態に差がある従事者も少なくありません。
こうした時の対応、また、声をあげても、実際に相手や機関にすぐに対応してもらえなかった場合どうするかについてもみていきます。
また、臨時休業でサロンは閉まっているものの、指示を受けて義務として出社した場合、出社の目的が自主練習と称されていても労働時間とみなされるかどうか、についても掘り下げていきます。
このテーマについては厚生労働省にも「参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間は労働時間となる」というガイドラインがあり、実際に時間や場所の指示があって出社する場合、その就業は労働時間とみなされます。
8. 業務委託契約・フリーランス美容師の休業補償は?契約の名称ではなく実態で判断!大学教授でもある淺野弁護士が解説
vo.8:業務委託契約・フリーランス美容師の休業補償は?契約の名称ではなく実態で判断!
で淺野先生にお話していただくのは、個人事業主、業務委託の場合の休業補償についてです。
個人事業主(フリーランス)や業務委託として就業している場合、原則的には自身の給与を補償してくれるものは何もありません。
法律上、休業の場合に休業手当の支払を義務付けられるのは、労働契約を締結している場合です。
しかし、先ほどvo.7でも出てきましたが、契約内容と実態が違う場合、見分ける基準は形式ではなく実態で判断されます。
つまり、業務委託契約という名前の契約を結んだとしても、実態としてサロンの指揮のもと雇用契約者と同じように働いている場合には労働契約であるとみなされるのです。
それでは、名実ともに個人事業主として働いている場合、何を頼りにコロナを乗り切れば良いのでしょうか。自営業、フリーランスで働く人のセーフティーネットについても見ていきます。
9. クラスター発生!その時サロンの責任は?健康診断は義務?雇用保険加入はさかのぼれる?中込弁護士が解説
vo.9:クラスター発生!その時サロンの責任は?健康診断は義務?雇用保険加入はさかのぼれる?
では、もし自分のサロン内でコロナウイルスによる集団感染(クラスター)が発生した場合、従業員側に施せる対応について回答いただいております。
・開業を継続してサロンかでクラスターが発生してしまった場合におけるサロンの法的責任
・健康診断義務
・雇用保険の遡求加入の可否
・雇用保険未加入のリスク
など、開業・雇用を続けていく上で雇用側ができること・しなければいけないことをコロナウイルスに絡めてもう一度おさらいします。
万が一営業していてサロンが新型コロナウイルスのクラスター発生場所になってしまった場合、どのような予防措置をとっておけば法的責任に問われないか、 また何を怠っていたら法的責任に問われるか。
雇用主の、雇入れ時、定期診断として労働者に健康診断を受けさせる義務に違反するとどうなるのか、また現在の緊急事態宣言等を受けて定期診断をどうするべきか。
雇用保険遡求加入についての詳しい期限や、罰則の内要、助成金とどう関わってくるのか。
等、雇用を続けていく上で無視できない雇用保険について詳しく知ることができます。
10. まとめ
コロナ問題の対応には様々な論点があり、気をつけなければいけない点も沢山あることがよく分かりました。
一方で、雇用関係、資金の調達、新しいビジネス、様々な対応策や工夫できることも知り、どのようにコロナを乗り越えるのか具体的なイメージが湧きました。
詳しくお話を聞くことができた一方で、やはり困った時には専門家に相談することの大切さも感じられました。
それぞれ違った条件で就業している以上、それに対する対応策も変わってきます。
困ったことがあったら自己判断で行動するのではなく、今日お話を伺ったような美容業界に詳しい法律や経済の専門家、または専門機関に自分の状況を説明して、不利益のないようにこの状況を乗り越えていきたいと思います!