2022年01月20日
切りすぎないが今っぽい?松永先生の作る重さと軽さのバランスは左手に鍵がある!
こんにちは詩歌です。
過去のマガジンにも書いたことがありますが、以前お手伝いしていた某誌の撮影で、松永先生がショートカットのモデルの女性を連れて撮影にいらっしゃったことがあります。
全国のトップランナーが集まる全国紙の撮影でしたが松永先生のカットはピカイチで、スタイリング前のスタジオに入ってこられた瞬間から輝いて見えたのがとても印象的でした。
今回は2022年01月18日に放送された
「ABBEY 松永 英樹 ─ 2022年のニュースタンダード」
の様子をダイジェストでお届けいたします。
歩くカットの教科書とはまさに松永先生のこと。
そのセクショニングは、そのスライスは、そしてそのシェーピングには一切の無駄がなく、流れるような美しい動きでカットができあがっていきます。
これまでショートカットの先生というイメージが強かった松永先生ですが、今回はなんとミディアム、ショート、そしてボブの3スタイルをレクチャーしていただきました。
美容師人生32年の松永先生。
一朝一夕にできるようにはなりませんが、どうやったら先生のような美しいシザー捌きを身につけられるのか。
瞬きする時間も惜しいくらい、あっという間の1時間半となっています。
※配信に関しまして、ヘアキャンプでは講師・スタッフの安全に配慮して行なっております。詳しくはこちらをご覧ください。
1. セミナーチャート
・類似レングスの中で印象操作をする方法
・重さの取り方の細かい解説
・グラデージョンやレイヤーの基礎
・サロンワークで長く活躍するためのマインド
2. ふんわり女っぽミディアムレイヤースタイル
たったの1時間半で3スタイルも作ってしまうという驚愕のスケジュール。
1スタイル目は肩下5センチほどのミディアムでロブっぽいAラインのBeforeを、後頭部に膨らみがあって、顔周りにもデザインがあるミディアムのスタイルにカットします。
意外と迷いがちな最初のパートはどこで分けるべきかに始まり、いつもの分け目がキマるのはもちろん、その日の気分で分け目を変えても迷子の髪が出てこないアウトラインの処理の仕方、そしてくぼみがちな耳周りを上手に切るコツなどを駆け足で教えてもらいながらウエットカットを進めます。
肩に当たって柔らかく動くミディアムスタイルが今日のゴールですが、若輩者の私が切るといつも外ハネしか受け入れられないティーン向けアニメのキャラクターのようなアウトラインを切ってしまいがちです。
比べるのもおこがましいですが、松永先生の手にかかればちょうど肩に当たるミディアムレングスも、そこにあるべくして毛先が遊ぶ繊細なデザインに早変わり。
ブラントで切っているのに切り口が柔らかく、シルエットに極端なエッジがないので、くびれのあるスタイルに抵抗がある方でもトライしやすいレイヤースタイルになりました。
なんとも言えないおくれ毛と、表面に軽く動く髪、そしてお肌に自然に馴染む毛先はまさに淑女の髪!
幅広い世代に提案したいミディアムスタイルです。
3. エレガントな毛流れが知的で、シャープなショートスタイル
続いてサイドからエレベーションを使って切るショートスタイルを教えて頂きます。
カットは一番短くなるバックから。
そう教わってから何の疑問も抱かず何年も後ろから切っていましたが、ヘアキャンプでカットのセミナーを受講すると案外サイド基準で切り始める先生の多いことに気付かされます。
今回の松永先生のスタイルもサイドから切ってバックサイド、そして背面にデザインを繋げていきます。
全体がつながっているため毛流れに滞りがなく、モデルさんのすらっと長い首と白い肌に、美しく流れるような黒髪が知的な印象を演出しています。
規則的な曲線がきちっとした流れと面を作り出していて、そのフォルムは彫刻のようです。
彫刻のような美しい立体を掘り出すに当たって重要なのはどこで分けとってどこでシェープするか。
どこを切っているか、どこに落ちる髪をどのくらい持ち上げて切っているのか頭の中でゴールを定めてから走り始めることが無駄のないカットをする秘訣だと言います。
分厚く残ってしまいがちな襟足のアウトライン。
ウイッグと間違えてしまいそうなボテっとした野暮ったい襟足にサヨナラするべく、松永先生の質感調整のプロセスを凝視します。
「切って2週間目くらいの馴染んだ感じをカットしたてでも作れるといいですよね。」とまさに昨日髪を切ってもらった今私が感じている違和感をそっと汲み取ってくださった松永先生。
画面越しに見える松永先生と隣にある鏡を交互に見つめてしまいました。
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