2023年01月23日
【薬剤選定に迷わない】ブリーチなしのアッシュグレーカラーの作り方
ブリーチ剤を使わずに、髪の毛に完璧なアッシュグレーの色合いを表現できますか?
この記事では、ブリーチなしで鮮やかなアッシュグレーで染める方法を、詳しく解説しています。
アッシュグレーにするためのヘアカラーの調合に関して、基本的なことを学びます。
アシスタントの方にも理解しやすい内容となっているので、ぜひご覧ください。
1. ブリーチなしのアッシュグレーとは
ブリーチなしのアッシュグレーとは、明度の低いアッシュ(青色)とグレー(灰色)を合わせたカラーになります。
そもそもアッシュグレーは、グレーをベースに青などの寒色系の色を入れることにより、
日本人特有の赤みを打ち消しながら、透明感のある髪色になります。
アッシュグレーカラーにも、明るいものと暗いものがありますが、ここでは“ブリーチなし”の施術を解説。
明度は低めの仕上がりとなります。
さらに、深掘りしていきます!
ブリーチなしのアッシュグレーの明度、彩度、色相の考え方
ここで
“明度、彩度、色相”に焦点を充てて紐解いていきましょう。
●明度は暗めに設定
ブリーチをせずにアッシュグレーを作っていくので、グレーの色味を出すには青や紫が多めになります。
すると必然と明度が低くなります。
●彩度は低めに設定
青や紫の色が必要となります。青や紫は彩度の低い色味になりますので、彩度は低めの設定になります。
●色相は黄色
アッシュグレーは無彩色と黄色が混ざったお色と表現されますが、
限りなく無彩色に近く、彩度が低い黄色が色相に分類されます。
2. 施術の流れと薬剤選定のポイント
今回モデルさんをブリーチなしでアッシュグレーに染めていきます。
beforeがこちら
↓↓
ヘアカラーでは、事前の状態をしっかり把握することが大事になってきます。
根本付近は新生毛。中間から毛先は10Lv前後のオレンジ系の茶色(彩度は高め)になります。
ここで綺麗に染めていくポイントは
“中間から毛先の場所によるダメージの差があるかが重要”。
今回の場合、ダメージ差はほとんど無く均一であったため、薬剤選定はシンプルに考えます。
しかし、毛先の過度なダメージや中間の残留が目立つようであれば、薬剤選定を工夫する必要があります。
薬剤選定
今回は、モデルさんの髪の毛のベースの色に合わせて、“補色”のみで対応していきます。
オレンジ味のある髪色(ベース)に対し、青色(オレンジの補色)を入れていくことで無彩色になります。
青色だけを入れ過ぎると、緑色や黄色に寄りすぎる傾向にあります。
ここで紫色の出番。この色味を混ぜておくと丁度いいフラットな無彩色を作り出すことができます。
今回のケースで言うと、青色の商材が彩度が強いものだったので、
紫色で赤みを足すことで緑に振られないようにしていきました。
3. 仕上がり写真
綺麗なアッシュグレーの髪色となりました。
このとき
beforeは彩度の高い茶色で、afterは彩度の低い茶色という風に表現ができます。
黄色、赤色、青色それぞれの色味の量が一番フラットになる色味は無彩色。(※3原色のバランスが鍵)
そこに限りなく近づけたのがアッシュグレーの色味になります。
つまり、黄色や赤色がちょっとだけ青色を上回ることで、アッシュグレーが表現できます。
下のピグメントバーを参考に…
4. まとめ
お仕事の兼ね合いや、髪の毛の状態から“ブリーチなし”を選択される方は少なくありません。
その時の選択肢として、どのような髪色を提案できるかは
こうしたヘアカラーのメカニズムを理解していくことが重要になります。
この他にも、ヘアカラーの理論について詳しく解説してくださっているのが
HAIRCAMP SCHOOL内にある山崎 健吾先生の「新ヘアカラー薬剤選定入門」になります。
そちらも併せて、是非チェックしてみてください。