2022年11月07日
【大人気カラーの解体新書】中明度グレージュカラーの作り方(薬剤選定)
中明度グレージュとは
“中明度グレージュ”とは、明度が中間で、彩度が低め、色相が黄色よりとなるカラーのことを言います。
ここでは改めて、色の三大要素となる“明度、彩度、色相”について学び
中明度グレージュについて理解を深めていきましょう。
1. 色の三大要素
全てのヘアカラーには色の三大要素である「明度・彩度・色相」で作られております。
明度→明るさの度合い(赤、黄、青の総量が多いか少ないか)
彩度→鮮やかさの度合い(赤、黄、青の配合のバランスがどうか)
色相→色味の違い(赤、黄、青、オレンジ、紫、緑、無彩色の何色に近いか)
それらを明確にすることで、作りたいカラーの配合を言語化することが出来ます。
2. 中明度グレージュの明度、彩度、色相の考え方
中明度グレージュの明度、彩度、色相を明確にしてまいりましょう。
“明度”はその名の通り“中間”。
もう少し明るいグレージュも作れますし、逆に暗いグレージュも作れる。
が、お客様からのオーダーを考えると、中明度グレージュが多いです。
“彩度”は、グレーを表していることから“低め”。
もう少し彩度が高いと黄色とか黄緑が強く前に発色するようになります。
“色相”は、“黄色”よりになります。
赤、青、黄のどれよりか?と考えたとき、黄色の色相であると捉えられます。
中明度グレージュの薬剤選定
1. 薬剤選定における3つの型
・Main →目的色
・Sbstitute →補色
・Correction →補正
この3つを念頭に、どんな仕上がりにしていきたいかを考えていきます。
●MS型 ベース+目的色+補色=仕上がり
●S型 ベース+補色=仕上がり
●MSC型 ベース+目的色+補色+補正=仕上がり
これら3つの型に合わせて薬剤を選定していきます。
2. 中明度グレージュの薬剤選定
ベースの色味の違いで選定が変わってきます。
今回は中間から毛先はブリーチ履歴があり、根本はバージン毛。
前回までやや暗めに染めていた履歴から、残留色素もあり
全体的にオレンジの色味が出ているようなBeforeです。
今回はMS型で薬剤を選定していきます。
目的色は 8MT:8N = 4:1
補色はパープルとブルーを5%ずつ
根本のトーンアップを懸念して、3%等倍で塗布すると判断になりました。
中明度グレージュの黄、赤、青のバランスについて
無彩色(グレー)は黄、赤、青のバランスが全てフラットな状態になります。
グレージュの場合、ベージュが混ざり合った色味であることから
少しだけ“黄色”が多く入っている設定になります。
そのバランスの意識もポイントとなってきます。
まとめ
Beforeの状態から、どうしたら目的のカラーになるのか。
そこの見極めがまず重要になります。
色相の何が足りなくて、どう配合すべきなのか。
基本的なことも含め、しっかり学んでいきましょう。